住宅ローンジャーナル

住宅ローンの選び方は?金利以外のポイントや注意点

(構成・文=横山 晴美/ファイナンシャルプランナー)

住宅ローンは、メガバンクや地域銀行・信用金庫、そして貸出し専門のモーゲージバンク等々、複数の立場の会社が取り扱っています。貸出し金利や条件も住宅ローンごとに異なり、数多い住宅ローンの中からどれを選ぶべきか、迷ってしまう人も多いです。

そこで住宅ローンを選ぶ際のポイントや注意点をご紹介します。

住宅ローンの金利は目安と心得よう

住宅ローンで最初に目がいくのが金利ではないでしょうか。同じ金額を借りても、貸出し金利により返済額は変わってくるため、チェックしておかなくてはならない重要な数字です。また金利は基本的に低ければ低いほど返済額が少なくなります。

基準が明確で比較しやすいので、金利を前面に出して広告している金融機関も多いです。

しかし金利にこだわりすぎるのはよくありません。というのも、店頭ポスターやパンフレットに記載されている金利が自分に当てはまるとは限らないからです。

住宅ローン金利は人によって違う

ご存知の通り、金融機関に住宅ローンを申し込むときには審査があります。借入金利はその審査によって変わってくるのです。

さまざまな要素を考慮し、確実に返してくれそうな人は利子を低く、そうでない人は利子が高くなります。

年収や職場、年齢などから返済リスクが高いと判断されてしまうと、リスク分金利が上乗せされてしまうため、低金利がウリの金融機関に申し込んだかといって、必ずしも低金利が適用されるわけではありません。

低い金利の落とし穴

低金利にこだわりすぎるデメリットはもう一つあります。それは、金利が低い金融機関は、審査が厳しい点です。

低い金利で貸し出すならば、貸倒れリスクを抑えなければなりません。貸倒れとは返済が滞ることです。金利は貸し手の利ザヤなので、金利が低ければ貸し倒れリスクの許容度も低くなります。

そのため、審査を厳しくし、条件のいい人に絞って融資を行う方向に傾きます。

つまり金利が低い住宅ローンは審査が厳しく、落とされる確率が高くなってしまうのです。

せっかく金利が低くとも、審査に通らなければ意味がありません。

条件が良い人ならば貪欲に低い金利の住宅ローンを探す意義もありますが、そうでなければ金利はほどほどで探した方がいいかもしれません。

自身の条件によって適用金利は異なるため、表に出ている金利はあくまで目安とすべきなのですが、これはたとえ条件が良かったとしても同じです。

住宅ローンの適用金利は融資実行時となっており、申込み時よりも金利が変動する可能性があるからです。

低い金利前提で住宅ローン選ぶと、審査や融資実行時期のズレなどで適用金利が想定以上であると、計画が狂ってしまうかもしれません。

住宅ローン選びのポイント3つ

金利にこだわりすぎるのが良くないならば、住宅ローン選びでは何を重視すればいいのでしょうか。

3つのポイントをご紹介します。

1 対応力

住宅ローンの対応における使い勝手はその人ごとに異なります。

例えば、何かあったとき直接相談したいのであれば対面で相談できる金融機関がいいですが、平日が忙しい人ならば、時間にとらわれずインターネットで手続きできる方が使い勝手がいいということになります。

利便性やサポート力などさまざまな要素があるので、その中から自分にとって大切な点を重視して判断するといいですね。

金融機関に何を求めるのかを明確にして選びたいですね。

2 お得度が変わる!各種手数料

審査によって変動がある金利と違い、各種手数料は住宅ローンごとに決まっています。

少しでも安く住宅ローンを組みたいのならば、どんな手数料があるのか知ってきちんと比較しましょう。

「事務手数料」と「保証料」はセットで評価しよう

【事務手数料】
金融機関や保証会社への支払手数料。

借入額にかかわらず定額のものと「借入額の○%」と借入額により金額が変わるタイプがあります。

【保証料】
保証会社へ支払う保証料です。借入額や返済期間により金額が異なるほか、支払い方法も異なります。最初に一括支払いする、もしくは金利が0.2%程度上乗せされます。

事務手数料と保証料は、住宅ローン商品ごとに金額の差が大きいです。

保証料は無料だが事務手数料が大きいケースや、その逆も場合もあるため注意したいです。

どちらか片方をもって高いか安いかを判断するのではなく、双方合わせた金額で評価考しましょう。

手数料は自分の場合で判断
繰上返済の手数料は無料とする金融機関が増加しています。

ただし、手数料が無料なのはインターネット上で繰り上げ返済する場合のみで、窓口で行う場合には手数料がかかることもあります。

返済条件により繰上返済手数料が異なることが多く、自身の返済方法での手数料や条件を確認しておきましょう。

大きな金額ではないですが、正しい金額を知っておくことで適切に比較できるでしょう。

※このほか、家の保険である「火災保険料・地震保険料」、抵当権設定にかかる「登記手数料・司法書士報酬」などがありますが、住宅ローン諸経費ではないのでここでは取り扱いません

近年は手数料を各行が抑えてきています。

保証料を無料とする金融機関も多いです。

3 いざというときの味方!団体信用生命保険

団体信用生命保険とは通称「団信」と呼ばれ、住宅ローン契約者に所定の事由(死亡・高度障害など)があった場合、住宅ローンの返済が免除されるものです。例えば死亡した場合に、住宅ローン残高と同額の死亡保険金がおり、それをもって住宅ローンを完済します。

保障内容は死亡・高度障害だけでなく、がんや3大疾病(ガン・急性心筋梗塞・脳卒中)まで担保するものもあります。

最近では5大疾病や8大疾病のほか、ケガや介護時に対応するものもあり、多くの金融機関が手厚い団信を取り揃えています。保障が手厚ければ安心は増えますが、基本的に保障範囲が広がれば団信保険料も高くなります。

「団体信用生命保険料」は保障内容を理解し上手に選ぼう
住宅ローン契約者の死亡・高度障害状態を担保する団体信用生命保険は無料で付帯されているものがほとんどですが、それ以外に保障を拡大しようとすると「特約」扱いになり、通常は特約保険料が必要です。

全ての保障が欲しい!と考えてしまう人も多いのですが、特約保険料を考慮し、必要度の高い保障を選んで利用しなければなりません。

例えば、手厚いがん保険に加入しているならば、がん特約はなくとも問題は少ないでしょう。しかし保険の保障が薄い人や、そもそも加入していない人は、たとえ金利が上乗せされても特約が手厚い団信を利用するべきです。

必要性を考慮して適した団信を選びましょう。

ケースごとに異なる住宅ローン選び

基本のポイントは先ほど挙げた「対応力・手数料・団体信用生命保険」の3つですが、個別要因や個々の希望にも住宅ローン選びは左右されます。

世帯の特徴や希望に着目し、向いている住宅ローンを考えてみましょう。

子供が増える、これから大きくなる

子供がいる場合、返済者に万が一の事があった場合のリスクが高いです。手厚い団信特約があるといいですね。

また、住宅ローンの中には、産休や子供の進学など個別の事情があれば、返済額を一定期間減額できるものもあります。

子供の誕生や成長にともない将来返済が難しくなるかもしれないと考えるならば、返済方法が柔軟なローンを選ぶのも一つ手です。

二世帯住宅の場合

二世帯住宅では子供が家を買い・一人で返済していくのが一番シンプルなケースです。

しかし親子で一緒に返済していきたい世帯もあるでしょう。

その時は、親子で共同借入・返済していく親子ペアローン返済や、当初親が返済していき、後に子供が返済を引きづく親子リレー返済などを検討してみては。

二世帯住宅専用ローンとして取り扱っていることも多いので、探してみましょう。

年齢が上の場合

年齢が上の場合、一般的には健康リスクが高くなります。そのため、保障の厚い団信に加入しておきたいです。

もし、すでに健康上の問題があり通常の団信に加入できないときは、引受け条件緩和型の団信がある金融機関を選びましょう。

繰り上げ返済をこまめに行い定年前に住宅ローンを減らしておきたい人は、繰上返済が手軽にできるかも重要です。繰り上げ返済の最低金額や手続き方法の確認もお忘れなく。

さまざまなシーンをまとめて

将来のリフォームローンや退職金の運用、遺言信託……等々、せっかくだからお金の心配事を全て相談したい場合は、地域に根ざした信用金庫や、取り扱い商品が豊富なメガバンクなどが適しているでしょう。

理想の住宅ローンを考えよう

住宅ローン選びのポイントを3つ挙げました。3つの優先順位をつけて各住宅ローンを取捨選択していきましょう。

金利もこだわりすぎなければ重要な比較ポイントです。自分たちにとって良い住宅ローン像を明確にしし、それに沿った住宅ローンを選んでいきましょう。

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