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住宅ローン契約時に加入する団信(団体信用生命保険)とは?

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団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンを借りる際に、ローン契約者を被保険者として加入する保険の事をいいます。

万一、住宅ローン契約者が、死亡や働けなくなるほどの高度障害となった場合には、保険金でローン残額の全てが支払われるので、家族は住宅ローンの負担から解放されるという仕組みの保険です。

多くの金融機関で加入が融資の条件となっています。

団体信用生命保険(団信)の特徴や加入条件などについて解説します。

団体信用生命保険(団信)の特徴

団体信用生命保険(団信)の大きな特徴は、万一の際には、住宅ローンの借入れ残高を全額返済できるだけの保険金が用意され、ローン残高の減少に応じて、保険金額とともに保険料も下がっていきます。

そのため、必要な保障額の変化をいちいち気にする必要がありません。

繰り上げ返済を行えば、ローン残高も減るので自動的に団信の保険料も下がります。

長期間に渡って返済を行う住宅ローンでは、返済中に解約者が死亡したり、高度障害で働けなくなる事も無いとは限りません。

注意しなければならないのは、団体信用生命保険は年末調整や確定申告時の生命保険控除の対象にはなりません。

団信は住宅ローンと一体のため、住宅ローンの借り換えを行う際には一旦解約して再加入が必要になります。

病気をしてしまったりすると保険に再加入できなくなり、借り換えが難しくなる場合があります。

団体信用生命保険(団信)の加入条件について

なお、すべての金融機関が取り扱ってるわけでははなく、加入できる年齢も50歳前後までで、健康状態などの理由から団信に入れない場合は、住宅ローンを借りる事が出来なくなります。

たとえば高血圧症の人は、直近2、3回の服薬中の血圧の数値の申告を求められるなど、かなり厳しくチェックされます。

団信の保険険料は住宅ローンの金利に0.2%〜0.3%上乗せして含まれておりますので、別途支払う必要はありません。

また、住宅金融支援機構を通して申し込む財形住宅融資とフラット35では団信への加入は任意で『特約』という形で契約を行い、特約料を金利に含める形で支払いを行っていましたが、2017年10月より団信込みの金利に変更になりました。健康上の理由で団信に加入できない場合には金利の利率が低くなります。

また保障内容では、保険金が支払われる要件として、これまでの「保険会社所定の死亡と高度障害になった時」から、死亡と「法律上の障害1級か2級の身体障害を負った場合」に変更になりました。

「新3大疾病付団信」も同様の状態になった場合に加え、要介護2以上になった場合も住宅ローンを完済できるようになりました。

ちなみに勘違いしている人も多いと思うのですが、ローン契約時に支払う保証料は、契約者が万一の時にローン返済を免除されるものではなく、あくまでも貸し手の為の保険で、金融機関が債権未回収状態に陥らない為のものです。

団体信用生命保険(団信)とは別物なので勘違いをしないようにしましょう。

ワイド団信とは?

ワイド団信とは、通常の団信に通らないような健康に不安がある状態でも受けてもらえる可能性のある保険で、糖尿病、高血圧症、肝機能障害などでも、加入条件が緩和されています。

団体信用生命保険に加入できない場合は、団信よりも加入条件が緩やかな「ワイド団信」への加入が選択肢になります。

加入には金利に年0.2〜0.3%上乗せされる事が多いです。

特約付き団信

家族写真

契約者が病気やケガにより仕事ができない状態が続く場合も考えられます。

そこで団信では「がん、脳卒中、心筋梗塞」の3大疾病になり働けなくなった場合でも、生命保険会社が住宅ローン残高を支払う「特約付き団信」(疾病保証付き団信)というものや、8大疾病、全疾病に対して保障を行う特約を用意しています。

がんに関しては、一般的に診断された時点で保険金が支払われます。

ただ、急性心筋梗塞と脳卒中については、従来は保険会社が定める所定の状態が60日以上継続した場合に保険金が支払われる、といった条件がつくことが多いものでした。

一般的に、心疾患の平均入院日数は約20日程度です。

脳血管疾患の平均入院日数は約90日ですが、住宅ローン返済世代の65歳未満に限ってみると約45日です。

所定の状態が60日以上という条件からすると、急性心筋梗塞と脳卒中では条件が厳しい日数です。

しかし、こういった現状を考慮して最近では支払い事由を緩和する金融機関が出てきました。

フラット35が扱う「3大疾病付機構団信」やみずほ銀行の「3大疾病保障」は、治療を目的とした手術を受けたときにも保険金が支払われ、ローン残高がゼロになるようになりました。

三菱UFJ銀行の「7大疾病保障特約」では、治療を目的とした入院をしただけで、保険金が出たうえに、その時点のローン残高がゼロになります。

この「特約付き団信」の基準や保障内容は、金融機関によって若干異なるので注意が必要ですが、金利はやはり0.2〜0.3%程度高くなります。
事前に確認をしたうえで契約を結ぶようにしましょう。

特約加入時の注意点

特定疾病保障で注意が必要なのが、多くの金融機関で加入できる年齢の制限を45歳までとしている点です。

さらに、保障期間は75歳までとなっているケースが多いので、75歳を超えてローン返済が続く人は特約の保障が切れることを覚えておく必要があります。

万一、3大疾病になった場合の収入減に備えたい人にとって、保険金支払い事由が緩和された金融機関のものであれば、住宅ローンの特定疾病保障はコストパフォーマンスの高い保険と言えます。

加入を検討する際は、契約のしおりや約款で、保障内容の違いをしっかり比較し、さらに現在加入している保険を確認し、保障内容の重複がないことも必ず行うようにしましょう。

特約付き団信の3つのタイプ(例)

■がん団信(がん保障付き)
生まれてはじめて、がん(上皮内がん等は除外される)に羅患したことを医師の診断により確定された場合に、残りのローン返済額が0円に。
融資日から90日目以内は免責期間とされる。

■3大疾病保障付き
がんの保障に加え、急性心筋梗塞、脳卒中なとを発症し、初診日から「所定の状態」が医師によって診断された場合、残りのローン返済額が0円に。
融資日から90日目以内は免責期間とされる。

■7〜9大疾病(重度慢性疾患保障付き)
3大疾病保障に加え、所定の重度慢性疾患(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血など)により、就業が不能な状態が12カ月以上継続すると、残りのローン返済額が0円に(免責期間は3カ月)
なお、就業不能状態が30〜60日以上継続した場合、毎月返済額が最大3年間免除される。

また、団信に入る前に注意すべきなのが、すでに加人している生命保険の保障内容と重複していないかを確認することです。

良い機会と捉えて、手元の生命保険の内容を見直してみるようにしてください。

一般の生命保険と比較するとどっちがおトク?

特約料については、ほとんどの金融機関では借入金利に0.1〜0.3%上乗せして、毎月の返済額の中で支払っていく形を取っています。

では、都市銀行を例に特約を付けた場合と付けなかった場合、総支払い額にどのくらいの差が出るか確認をしてみましょう。

例えば、3,000万円を変動金利で返済期問35年、元利均等返済で借入するとします。

特約をつけない場合は金利が0.1%、保険料に相当しい場合の金利は0.625%、毎月の返済額は7万9544円。

つけた場合、0.625%に保険料の0.3%をプラスすると、0.925%となり、毎月返済額は8万3641円になります。

差額の4,097円が毎月の保険料に相当し、35年分の総保険料は約172万円となります。

月額約4,000円の保険料で、3,000万円近いローン残高がゼ口になるとしたら割安な保険と思えます。

というのも、生命保険会社が取扱う「3大疾病保険」の場合、保険料は月額数千円だとしても、保障内容は治療費を補うのが目的のため、支払われる保険金はせいぜい300万円程度で、ローン残高に相当する数千万円もの保険金が支払われることは通常ありません。

また、生命保険会社が取扱う収入保障保険の中には、特約を付加すると、3大疾病で所定の状態になった場合に毎月年金を受取れる商品がありますが、こうした保険でローン返済に備える場合には保険料はもっと割高になります。

例えば、30歳男性が生命保険会社が取扱う保険で、年金月額10万円の保障で65歳まで加入した場合、保険料は月額6,500円〜1万円程度になる計算です。

「3大疾病になった場合にローンの返済負担をなくすこと」が目的であれば、住宅ローンにセットする特定疾病保障(特約)のほうが割安です。

住宅購入時には生命保険を見直そう

フラット35、機構財形住宅融資以外の住宅ローンは、団体信用生命保険への加入が融資の必要条件となっており、団体信用生命保険の保険料は、一般的に住宅ローンを融資した金融機関が負担することになります。

団体信用生命保険への加入は新たに生命保険に入る事と同じですので、現在契約中の生命保険と保障内容が重複していれば、現在契約している生命保険を見直しした方が良い場合もあります。

  • 団体信用生命保険は、残された家族に住宅ローンの債務を残さないため。
  • 一般の生命保険は、残された家族のその後の生活のため。

というように目的が異なるので、団信に入ったからといって一般の保険に入らなくても良いわけではありません。

団信で住宅ローンの債務負担がなくなるため、その分だけ生命保険の保証を削減する事ができますが、子育て中の家族では、住宅ローンとは別に、家計を支える人が亡くなってしまった場合の必要費用を考えておかなくてはいけません。

住宅ローンを組んで家を買った際には、団信と通常の死亡保険の合計額で、万一の場合、家庭の必要費用をまかなえるかを確認するようにしましょう。

とはいえ、どのように生命保険を削減して良いかなかなか難しいと思います。

例えば、現在加入している生命保険会社に、『住宅ローンを借入れして、団信に加入したので保険を見直したい』と申告して、担当者に提案をしてもらいながら一緒に保険設計を見直すのも良いでしょう。

また、お金の専門家であるフィナンシャルプランナーに相談をして、適正な保障と負担の少ない生命保険の提案を受けるのも良いでしょう。

何もしないというのは過大に生命保険の保障を掛け続け、無駄なキャッシュアウトをさせてしまうだけなので、是非一度専門家などに相談してみる事をおすすめします。

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