税金の知識

認定住宅の住宅ローン減税について

長期優良住宅や低炭素住宅は、行政が住宅性能の高さを認定し、適用認定されれば減税額がアップします。長期優良住宅は年間10万戸前後の認定実績があり、ぜひ検討したい制度です。

住宅の基本性能の向上を図るため、認定制度が実施されています。認定を受けた住宅については各種の優遇制度を適用し、よりレベルの高い住宅の建設や取得を促進しようとするものです。

具体的には、住宅ローン減税の控除額が一般住宅に比べて多くなり、住宅ローンを利用しないときには投資型の減税が適用されることがあります。

住宅ローン減税については、一般住宅が年間最高40万円で、10年間で最大400万円であるのに対し、認定住宅は年間最高50万円、10年間で最大500万円に増えます。

長期優良住宅や低炭素住宅にすることによって、建設費や取得価格が若干高くなってしまいますが、その分ローン減税額が最大100万円増えるので、負担増加の一定部分をカバーできます。

また、取得時の登録免許税、不動産取得税、さらに保有時の固定資産税などが軽減される優遇策も実施されています。

さらに、住宅金融支援機構と民間機関が提携するフラット35の金利が低くなる制度もあります。

認定を受けるためには住宅の基本性能を」尚める必要があるので、一般住宅に比べると建築費や価格は高めです。

しかし、取得時のイニシャルコストが高くなっても、そのぶん各種の優遇策が適用され、負担は若千なりとも緩和されて、取得後の維持管理コストも軽減されます。
長い目で見れば、むしろこちらのほうが得策という考え方もできます。

たとえば、2,000万円で加年使える住宅の1年当たりの価格は40万円ですが、3,000万円で100年使えれば、1年当たりは30万円。そう考えると、2,000万円の住宅のほうが安いとはいいきれません。

子どもや孫、曾孫の代まで考えれば、むしろ3,000万円の住宅のほうが安いといってよいのではないでしょうか。

長期優良住宅と低炭素住宅2つの認定制度

お金のバランスをとる男性

認定住宅制度には現在のところ二つの形態があります。

一つは、2009年施行の「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づいて実施されている長期優良住宅認定制度です。

住宅の基本性能に関する9項目の条件が設けられています。

たとえば、構造躯体が少なくとも100年以上継続して使用できることが第一の条件ですこ地震大国であるわが国では、地震対策も重要な要素です。

その点に関しては耐震等級2以上か免震建築物という条件になっています。

耐震等級2というのは、81年に施行された新耐震基準で求められる強度の1.25倍のレベルに相当します。

震度7クラスの大地震で倒壊することなく、一定の補修などによって継続使用が可能という条件です。

もう一つが、12年施行の「都市の定炭素化の促進に関する法律」による低炭素住宅の認定制度です。

高断熱・高気密による省エネや太陽光発電などによる創エネで、住宅内の一次エネルギー消費量を従来の省エネ基準より10%以上削減することなどが条件です。

いずれも、市町村や都道府県などに申請して認定を受けることになります。

長期優良住宅の認定実績は二階建てが中心

09年度からスタートした長期優良住宅の認定実績は、10年度以降、年間10万戸前後で推移しています。

わが国の年間の新築住宅着工戸数は90万戸前後ですから、長期優良住宅は9戸に1戸程度で、マンションは極めて少なく、大半が一戸建てです。

二階建ての年間着工戸数は30万〜40万戸ですから、一戸建てだけに限れば3戸か4戸に1戸は長期優良住宅になります。

大手の住宅メーカーなどでは、最近は標準仕様で長期優良住宅や低炭素住宅の認定を受けられるようにした商品が増えています。

ただし、物件の構造などによりますが、認定の手続きには1件当たり10万〜20万円程度の費用がかかります。

必要な書類が多岐にわたり、住宅メーカーなどにとってはその準備が大きな負担になるためですが、それで、安全や安心を確保でき、各種の優遇策の適用を受けられるのですから、決して高くはないでしょう。

最近は大手に比べて価格が安い中堅クラスのメーカーでも、長期優良住宅への対応を進めているところが増えています。

このように、二階建てでは長期優良住宅がしだいに標準化しつつあるのですが、マンションはなかなか増えません。

なぜマンションは少ないかというと、長期優良住宅の条件の一つに耐震性能の等級2以上という項目があり、これをクリアするには建築コストが数%高くなるからだといわれています。

もともとマンションは二階建てに比べて耐震性が」局いイメージがあるので、そこまでして長期優良住宅の認定を得なくてもよいのでしょう。

一般住宅と認定住宅のローン減税の違い
住宅の種類借入限度額控除率控除期間住民税からの控除限度額
一般住宅4000万円1.0%400万円 13.65万円
認定住宅5000万円1.0%500万円 13.65万円
※国土交運省ウェブページより作成
長期優良住宅の主な概要
構造躯体等の劣化対策構造躯体の継続使用期間が少なくとも100年以上
耐震性耐震等級2以上か免震建築
可変性構造躯体に影響することなく配管の維持管理が可能
維持管理、更新の容易性家族構成の変化などに応じて間取りの変更が可能
高齢者対策将来のバリアフリー改修に対応できるスペース
省工ネルギー対策必要な断熱性能などの省エネ対策等
居住環境 良好な景観の形成などの居住環境
住戸面積一戸建ては75㎡以上、マンションは55㎡以上
保持保全計画定期的な点検・維持等に関する計画を策定
※国土交運省ウェブページより作成

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