基礎知識

親子リレーローンで組む住宅ローンのメリットと注意すべきデメリット

住宅ローンには申し込み時の年齢が満20歳以上であることという制約の他に完済時の年齢にも制約があり、民間の金融機関では、完済時年齢満80歳未満としている場合がほとんどです。

80歳にもなると多くの人は年金収入に頼るようになると思いますので、この年齢制限は当然と言えるかもしれません。

民間ローンのほとんどは最長返済期間35年まで可能ですが、この制約があるために借入れ時の年齢によっては、最長の35年返済を利用できない場合もあります。

申し込み時の年齢が、44歳以下であれば最長の35年返済を利用できますが、それを超えると年々利用できる返済期間が短くなります。

45歳では34年返済まで、50歳になると29年返済まで、55歳だと24年返済まで、60歳では19年返済までとなります。

このように年齢による制約が有り、希望の借入額に届かない場合に親子で協力するリレーローンを利用する事で借入の選択肢が増えます。

親子リレーローンのメリット

白熱球とアイデアたち

親子リレーローンとは、当初は親がローンを組み返済し、いずれは子どもがローンを継承して返済を続けることを前提に、年齢による制限が解除されます。

ローンを継承する子どもが、44歳以下であれば、親の年齢にかかわらず、最長35年返済が可能になります。

かつて、この親子リレーローンを利用するには子どもの同居が条件で、そうでない場合にも将来の同居を前提として、そのための念書の提出が求められたりしたものですが、現在は離れた場所に住む親子であっても継承者になることが可能です。

たとえば、借入額3,000万円、金利1%、元利均等、ボーナス返済なしの場合、20年返済しか利用できないときの毎月返済額は13万7,968円になります。

それが親子リレーローンによって、25年返済までOKなら毎月返済額は11万円台に減り30年返済なら9万円台、35年返済だと8万円台になり、毎月の返済額を減らすことができます。

35年返済は20年返済に比べて、毎月返済額が5万円以上少なくなる計算になります。

借入額:3,000万円、金利:1%、元利均等、ボーナス返済なしの毎月返済額
返済期間毎月返済額総返済額元金分利息分
20年137,968円33,112,271円
30,000,000円3,112,271円
25年113,061円33,918,377円
30,000,000円3,918,377円
30年96,491円34,736,908円
30,000,000円4,736,908円
35年84,685円35,567,804円30,000,000円5,567,804円

たとえば、年収500万円だとすると、20年返済の返済負担率は33.1%と30%を超え、かなり生活が厳しくなりますが、35年返済なら返済負担率は20.3%になりますので、かなり余裕を持った生活が可能となります。

リレーローンで返済期間を延長できるメリットは大きいと思います。

団体信用生命保険は親と子どちらか一方が加入する事になり、親が団信加入制限の80歳を迎えたら、手続きをして子に切り替えを行います。

団信の切り替え前に親が亡くなった場合には、団信の保険料で残りの住宅ローンは完済され、子に債務は引き継がれません。

親子リレーローンのデメリット

親子リレーローンは、親子で返済する事によって資金調達に選択肢が増えるため、返済期間を長すれば、毎月の返済額は少なくなっても、完済までの総返済額は多くなるという事に注意が必要です。

同じ3,000万円、金利1%で借入れを行ったとしても、20年返済の総返済額は約3,311万円で済みますが、35年返済になると約3,557万円に増えてしまいます。

その差は約246万円にもなりますので、安易に最長の35年返済にするのではなく、現在の家計から見て返済可能な範囲で、30年や25年返済にするといった判断が必要になります。

また、当初は親が返済する事が決まっていても、いつの時点から子が引き継ぐか等が曖昧で後々問題になることがありますので、慎重に検討をする必要があります。

収入合算も検討してみる

親子で協力する方法としては、リレーローンの他に親子ペアローンや収入合算制度もあります。

親子ペアローンは、親子それぞれで住宅ローンを組み、平行でローン返済を行うという仕組みです。

それぞれ単独で住宅ローンを組むため一人ずつ異なる完済タイミングを設定でき、それぞれが住宅ローン控除を受ける事ができるという税務上のメリットもあります。

団体信用生命保険もそれぞれ加入する事になります。

また、収入合算制度は、親の年収だけでは希望額に届かない場合に、子の収入を合算して借入額を増やす方法です。

最近は親子で協力して2世帯住宅を建てるケースが多いですが、親の土地があれば、建て替えの建築費だけで済むので、親子それぞれの資金負担が軽減されます。

年収をどこまで加算できるかは金融機関の規定により異なりますが、子どもの年収を加算できるとすれば借入可能額は増えます。

この場合ローンの名義人は親一人になり、子は連帯保証人となります。

親子リレーローンを検討する時は、ペアローンと収入合算制度などの方法とも比較検討し、慎重に選ぶようにしましょう。

参考【住宅ローンの選び方】初心者でも迷わないための比較ポイントと必須知識を解説!

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