つなぎ融資とは、一時的に土地代金を借りるための融資です。
土地を購入して注文住宅を建てる場合には、まずは士地の代金が必要になります。
しかし、住宅ローンはあくまでも建物とそれに付随する土地に対する融資であり、土地を買う段階では建物が存在しないため住宅ローンを借りる事ができません。
そこでつなぎ融資が必要になります。
現金がなければ、土地代と併せて建物の着工代金・中間代金もつなぎ融資を受ける必要があります。
つなぎ融資の手数料はいくら?
つなぎ融資には手数料や保険料、利息が別途かかります。
金融機関によって異なりますが、手数料は3万〜10万円程度、保険料は融資額の0.6%程度、利息は2.475〜3.475%が一般的です。
フラット35の場合は、つなぎ融資の元金は住宅ローンで借りるお金で一括返済するので、建物完成前に返済をする必要がありません。
不動産業者やハウスメーカーの営業マンが斡旋するローンで、つなぎ融資が必要と言われると、そのままつなぎ融資を利用する人が多いのが現状だと思いますが、つなぎ融資だけが選択肢ではありません。
住宅ローンの諸費用を抑えたい場合
預貯金に余裕がある人限定でおすすめしたいのが、住宅ローンの分割実行という選択肢です。
住宅ローン分割実行を利用するとトータルでかかる諸費用を抑えることができます。
通常であれば住宅ローンの融資実行は建物完成時の一回のみですが、大手銀行では建物が未完成でも土地のみに抵当権を設定して、住宅ローンの融資をしてくれる場合があります。これを土地先行融資といいます。
住宅ローンの分割実行は、土地購入から建物完成まで2〜4回にわけて融資してくれるので、必要なタイミングで資金を受け取ることができます。
ただし、分割実行(土地先行融資)は建物が建設される前の不安定な状態で融資を行うため、金融機関としてはリスクを伴います。
ですので、通常よりも審査が厳しく、金融機関は返済負担率や担保評価など総合的な判断をし、分割実行するかどうかを決定します。
また、分割実行は先に融資を受けた分、返済も先に始まるまる点に注意が必要です。
新居に入居するまでの間、現在の住まいの住居費に追加で、すでに受け取った土地代や着工金、中間金のローン返済もしなければなりません。
ごく短期問ではありますが、二重の負担を背負うことになります。
先に返済が始まった分、最終返済日も早くなるので総返済額に変わりはありません。
この一時的な負担を許容できるのであれば、つなぎ融資にかかる費用の分の節約が可能になりますので、経済効率の面では住宅ローンの分割実行をしてもらえる金融機関で借りた方がコストメリットはあります。
住宅ローンの分割実行をしているのは大手銀行のみであり、中小金融機関やネット銀行ではあまり扱っていません。
経済的な余力がある人は、まずは分割実行してくれる金融機関から当たってみる事をおすすめします。
住宅ローンの審査は無料で受けられますので、審査で承認が出ても最終的に契約しないという選択肢もあります。
分割実行で承認が出なかったなら、つなぎ融資を利用するようにしましょう。
建物完成前にローン返済が始まる家計への負担と、つなぎ融資にかかる費用を天秤にかけて、自分にとって得なほうを選ぶと良いでしょう。
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