資金計画

住宅購入の予算と基本的な考え方

投稿日:2015年9月13日 更新日:

住宅を購入するか、賃貸で借り続けるかを考える際に最も気になるのが、結局どちらの方が安く済むのかという事だと思います。

色々なWEBサイトなどでそれぞれの総コストをシミュレーションした結果が公表されていますが、1つの基準となるのが35年という数字です。

賃貸の場合の家賃を月12万円、家を購入した場合のローンを月12万5千円で比較した場合、35年までは賃貸の方が安くなりますが、それ以降は購入の方が安くなり、一生涯のトータルコストで考えると家を購入した方が得になります。

一般的に賃貸の方がコストは安いと言われていますが、それは短期的なスパンで計算されたもので、収入の増減や生活環境の変化によって賃貸の方がコストが安いと言われています。

下記の計算式での設定は、リフォームや引越し回数など、あくまで仮に設定したもので、住む人の計画によってはいくらでも変わり得る要素です。

しかし、同じ条件の物件と契約し、長く住む事を考えれば、分譲の方がメリットは大きいと言えます。

買った場合と借りた場合の比較

一般的な物件を50年間住むと仮定した計算
住宅を買った場合住宅を借りた場合
30歳〜80歳まで
住宅ローン:3500万円(頭金0円)
金利2.5%(元利均等)
35年返済(月の返済額約12万5000円)
30歳〜80歳まで
家賃12万円×50年
(+)購入時諸経費(例:200万円)
(+)管理費、修繕費、税金(例:1,750万円)
(+)リフォーム代(例:500万円)
(−)ローン控除(10年で230万円)
(+)初期費用(例:仲介手数料、礼金計20万円)
(+)更新料(例:2年に一度10万円)
(+)引越し代(今後5回、1回80万円)
支払総額 約7,470万円支払総額 約7,870万円
結論として、一生涯のトータルコストは家を買った方が得をします!

安全な毎月の返済額は現在の家賃から逆算

住宅ローンを組む際に、毎月の返済額は家計を圧迫しない金額で設定しておく事が最重要ですが、『今までの家賃=これからの毎月の返済額』と考えるのは非常に危険です。

例えば、マンションを購入した場合、ローンの支払とは別に管理費や修繕積立金、固定資産税などが毎月掛かってくるので、今までの家賃を毎月返済額として考えたのでは負担が増大してしまいます。

そうならないためには、月単位でなく、年単位で居住費用を考える視点が必要です。

住宅購入前と購入後の年間居住費用をトータルで比較し、釣り合っているかどうかを確認するようにしましょう。

例えば、現在の年間居住費が140万円なら、購入後の年間居住費は140万円から管理費や修繕積立金などを差引いた額を12ヶ月で割った金額が目安になります。

これらの金額が30万円なら、110万円÷12ヶ月=約9万2000円が無理のない住宅ローン返済額となります。

年間居住費が購入前と購入後で釣り合っていればOK!

購入前の年間居住費購入後の年間居住費
家賃住宅ローン返済額
駐車場代駐車場代
マイホームを買う為に貯蓄していたお金修繕積立金、固定資産税など

年間の家賃と、駐車場代にマイホームを買うために貯蓄していた金額を加えると、現在の年間の居住費が計算できます。

例えば、1ヶ月につき8万円の家賃と2万円の駐車場代を12ヶ月分、マイホーム用の貯蓄20万円を足した140万円が無理の無い年間居住費用になります。

だからといって、140万円を12で割った11万7,000円を毎月の返済に充てるのは危険です。ローン以外にも維持費が掛かってくる事を考慮し、現在の年間居住費÷12ヶ月が毎月の返済額ではないという事を意識しましょう。

家賃に含まれない『修繕積立金』に注意

マンションを購入すると、掃除や定期点検など日常的な管理にあてる管理費や10年〜15年に1回行われる屋上防水やタイル回収などの大規模修繕工事の費用として修繕積立金が必要になります。

国土交通省の発表によると、入居後にかかる経費の平均額は、管理費がひと月あたり1万990円、修繕積立金がひと月あたり1万9898円。

合計すると、2万1888円となります、毎月2万円強が住宅ローン返済とは別に掛かってきます。

毎月2万円となれば無視できない金額なので、住宅購入を考える際は管理費+修繕積立金のセットは忘れずに計算に入れておくようにしましょう。

最近では入居時に修繕積立基金として数十万円程度を徴収のところも増えています。

修繕積立金税度があるマンションは約8割で、その金額も平均で33万5000円と高額です。

入居後にかかる経費の平均額

管理費 1万990円/月

修繕積立金 1万898円/月

月額合計:2万1888円

年間合計:26万2656円

出典:国土交通省H20年度マンション総合調査

住宅ローンの借り入れ額は物件の80%以下が正解

物件を選ぶために、まず考えなければならないのが予算ですが、借りられる金額ではなく、返せる金額ベースに考え、自分に合った予算を見積もる事が非常に大切になってきます。将来大きな負担に悩まされてしまっては元も子もありません。

そうならない為には、借入金、自己資金、援助金の3つのバランスを考える事です。まず、物件価格を参考に自分の予算をこの3つに分けてみましょう。

この時、自己資金と援助金を足した金額が物件価格の20%と諸費用の合計を超えること、つまり借入金が物件価格の80%以下に治まる事が1つの目安になります。

もし借入金が80%を超えるようであれば、将来の負担が気になります。もう一度物件や予算を検討し直した方が良いでしょう。

借入金自己資金援助金
年収に応じて可能融資額は変わります。
借入金が多くなるほど、将来のトータルの返済額は大きくなります。
物件価格の80%以下を理想として予算を組みましょう。
三ヶ月分の生活費は引いておく。
自己資金は預貯金金額ではなく、最低3ヶ月分の生活費を差し引いて見積もりましょう。
頭金と諸費用(物件価格の5〜8%)も忘れずに計算しましょう。
親からの援助金は700万円まで非課税です。
援助金の有無で返済負担がかなり変わってきます。
現在一般住宅であれば700万円まで非課税となります。
なるべく少なく!
物件価格の80%以下が目安
なるべく多く!
物件価格の20%以上+諸費用が目安

マイホーム購入時に必要な諸費用

マイホーム購入時に必要な諸費用
①売買契約時
印紙税売買契約書の印紙代として1万〜6万円が必要に
②ローン契約・決済時
《登記費用・税金》
登録免許税(所有権移転登記)
土地、建物の登記費用。固定資産税評価額の1〜3%程度
司法書士報酬司法書士に登記を依頼する際の費用。2万〜13万円程度
不動産所得税固定資産税評価額の2%程度。特例で非課税にもなる物件もあります
固定資産税積立金1年の途中で引き渡しがある場合、売主と買主の日割りで折半
《ローン費用・保険料》
融資事務手数料3万〜5万円、または借入額の1〜3%程度
保証料借入額の0.5%〜2%。または融資金利に0.2%乗せ
適合証明手数料(フラット35のみ)融資基準の適合審査費用、約2~3万円程度(業者により異なる)
火災保険料建物部分の保険金額の0.2〜4%程度。一括払いで50万円が目安
地震保険料(任意)希望するとき。1年または5年更新契約
団体信用生命保険料ローン残高の0.28%〜0.3%程度。金利に含まれるものが主流
印紙税金融消費賃貸契約書の印紙税1万〜6万円
登録免許税(抵当権設定費用)借入額の0.1%か0.4%
《その他の費用》
・引越し代
・インテリア、家電代
・修繕積立金 など

マイホーム購入にあたって、自己資金のうちから頭金を出す事になりますが、それ以外にもさまざまな費用がかかります。

まずは売買契約時。売買契約書の印紙代として1万円〜6万円程度、物件価格に応じた金額が必要になります。

そしてローンの契約、決済時にはお大きく分けて2種類の費用を支払う事になります。1つは登記費用とその税金です。

土地や建物登記費用として固定資産税評価額の1〜3%ほどかかる登録免許税、司法書士に登記を依頼する場合の報酬として2〜13万円程度。

固定資産税評価額のおよそ2%の不動産所得税。

そして年度の途中で物件の引き渡しがある場合にかかる固定資産税積立金を売主と買主で日割りで折半する事になります。

もう1つはローンそのものの費用とその保険料です。

事務手数料が借入額の1〜3%、保証料が借入額の0.5〜2%、抵当権設定費用が借入額の0.1、または0.4%、適合証明書手数料が1万5000円ほどかかります。

保険については、火災保険が建物の保有金額0.2〜0.4%(一括払いの場合は50万円程度)、団体信用生命保険がローン残高の0.3%程度。

もし希望する場合はこれに地震保険が加わります。

またこのほかにもインテリア家具代や、家電代、修繕積立金、引っ越し資金なども自己資金から出費します。

これらを合計すると、新築物件で物件価格の3〜5%、中古であれば6〜8%になります。

さらに不動産仲介手数料がある場合には、これらに加えて物件価格の3%+6万円(税抜)がかかります。

忘れずに予算に含めておきましょう。

住宅金融支援機構のHPで住宅ローンプランを比較

長期固定金利ローンの『フラット35』を扱っている住宅金融支援機構のホームページでは、さまざまなタイプで住宅ローンのシミュレーションがができる様になっています。

フラット35を利用した場合の簡単なものから月ごとの収支や生活の変化に応じたキャッシュフローの試算や、最大で3つのプランを同時に試算して比較できるものなど用途に応じて使い分ける事ができます。

ご自身に最適なプランを算出するためにも是非有効活用してみましょう。

住宅金融支援機構シミュレーションページ

参考住宅金融支援機構のシミュレーションページ

物件価格や、借りる予定のローン金利、諸費用の額などを入力していく事で、毎月の返済額がどう変わるかが試算できます。

  • かんたんシミュレーション
  • 資金計画シミュレーション
  • 借り換えシミュレーション
  • 返済プラン比較シミュレーション
  • 返済方法変更シミュレーション
  • 機構団信・3大疾病付機構団信の特約料シミュレーション
  • 災害復興住宅融資シミュレーション
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