住宅ローンジャーナル

20代で住宅購入!住宅ローンの注意点とは?

家族イメージ

(構成・文=横山 晴美/ファイナンシャルプランナー)

年代に関係なく、「自分の家が欲しい」と考える人は多いでしょう。

実際には30代以降に家を買う人が多いですが、20代で住宅購入に踏み切る人も一定数います。

早く購入することで住宅ローンの返済期間に余裕ができますが、注意点も生じます。20代の住宅購入について考えてみましょう。

住宅購入者は一般的にどんな人?

一般的に結婚したり家族が増えたりすることで住宅購入を考える人が多く、住宅購入層は30代・40代が主流です。

フラット35利用者調査によると、住宅を購入する層は30代が最多、ついで40代、50代以降となっています。

【フラット35利用者の年代割合】

年代 割合
1020 13.6%
30 44.5%
40 24.9%
50代以上 17%

住宅金融支援機構「2016年度 フラット35利用者調査」より

20代の住宅購入者が少ない理由として、晩婚化や出産年齢が高くなっていることが考えられます。

住宅購入を検討するきっかけの多くは、「結婚」や「子供の誕生」だからです。厚生労働省によると2015年の初婚年齢は男性で31.1歳、女性で29.4歳となっています。

さらに第一子出産年齢は30.7歳で、結婚や出産などのライフステージは30代以降に多いです。

それに伴い住宅購入層の主流も30代以降なのでしょう。

とはいえ20代でも結婚・子供のいる世帯はありますし、子供の有無にかかわらずマイホーム志向が強い夫婦もいます。

20代で住宅購入する場合のメリット・デメリットをご紹介します。

参照平成 27年人口動態統計月報年計(概数)の概況|厚生労働省

20代の住宅購入におけるメリット

まずは若くして住宅購入をするメリットから見ていきましょう。

メリット1 時間を味方につけられる

20代で住宅を購入するメリットは、何といっても住宅ローンの返済を急ぐ必要がないことです。

20代の住宅購入は通常の返済を積み重ねていけば定年前に住宅ローンが完済できます。

例えば28歳で住宅ローンを組んだ場合、そのまま返済していけば63歳で返済終了です。

65歳で定年とすると、退職までに2年残して住宅ローンの返済を終えることができます。

住宅ローンの返済期間中に定年を迎えてしまうときは、定年後も返済し続けるだけの資金を用意するか、繰上返済によって早く住宅ローンを終わらせなければなりません。

このような世帯では、本来用意すべき老後資金にまで手が回らない可能性がありますが、20代の住宅購入なら老後資金の準備をする時間も十分確保できます。

メリット2 妻の就業継続に祖父母の手助けが期待できる

購入者である親世代が若ければ、祖父母世代も若いと考えられます。

祖父母が近くにいるケースでは、子育ての援助も期待できます。

20代は入社して年数が浅いため、収入面は30代以降と比較すると低い傾向にあります。

そのため夫婦共働きを前提で住宅ローンを組んでいるケースも多いです。

共働きで夫婦の子育ては何かと負担が大きいので、元気な祖父母の助けがあれば心強いでしょう。

メリット3 不動産という資産を手に入れることができる

資産として不動産を持つ意義は大きいです。

当たり前ですが、賃貸で部屋代を毎月払っていても、資産を得ることはできません。

住宅ローンを返済していって不動産を手に入れたほうが建設的です。

もちろん、きちんと返済できるだけの住宅ローンを組むのが前提です。

不動産は換金性が低く急いで売却するのには不向きですが、時期を待って住み替えや買い替えを行う分には問題ありません。

また、万が一世帯主が死亡するようなときも、団体信用生命保険に加入していれば、以後の住宅ローンの支払はなくなります。

若くても、事故や病気のリスクはゼロではありません。万が一の時にマイホームを家族に遺せるのは大きな安心であるはずです。

20代の住宅購入におけるデメリットと対処法

つづいて、20代での住宅購入におけるデメリットや対処法も見ていきます。

デメリット1 高額物件は購入しにくい

年齢が若い場合、年収が低めなので借入額も小さくなりがちです。

勤続年数が短いので、頭金もそう入れられないケースが多く。

借入額と頭金双方が乏しければ、そう高い物件を購入することはできません。

立地がやや悪い、広さが十分でない物件を購入する、などの可能性があります。

先述の、メリット3「不動産という資産を手に入れることができる」のとおり、不動産にはいざというときに使える資産でもあります。

立地や広さの条件があまりよくなく、資産価値が低い物件では、このメリットが享受できません。

その場合は、年収がもう少し上がるまで待ちつつ、頭金を貯めていくことも検討したいです。

デメリット2 家族構成が定まっていない

20代は家族構成の変化が見込まれます。家族が増えること支出も増えるため、想定以上に家計が苦しくなってしまうかもしれません。

子供ができると産休や育休で妻の収入が一時的に下がることになるので、支出増だけでなく収入面も注意が必要です。

また、子育てと仕事を両立させることが難しく、妻が仕事を辞めることになるリスクもゼロではありません。

メリット2で触れた「祖父母の協力」が得られるか確認しておきたいですね。

デメリット3 夫婦で家計を切り盛りする経験値がないままローンを組む

結婚後間もなく住宅購入に踏み切る場合、夫婦で協力して家計を切り盛りする時間が少ないです。

「夫婦のお金」を管理する経験値が乏しいまま何千万円という大きな買い物をするのはリスキーです。

住宅ローンは借金ですので、返済がきちんとできる家計なのか見極めておきたいです。

住宅ローンの返済中に、想定外の支出や、思わぬ収入減があるかもしれません。

不測の事態に備えられるよう、夫婦2人で目標額を決め、貯蓄の実績を作っておくと安心です。

20代の住宅購入 住宅ローンはどのように組むか?

20代の若いうちに住宅購入すれば、住宅ローン返済に時間的なメリットが得られますが、資金面では少々不安があるようです。

資金面の不安を軽減する住宅ローンの組み方とはどんなものなのでしょう。

変動金利と固定金利、どちらを選択すべきか考えよう

住宅ローンには大きく変動金利と固定金利があり、変動金利のほうが固定金利より金利水準が低いです。

ただし変動金利は今後金利が上昇するリスクがあります。

近年、住宅ローン金利はかなり低い水準を維持しています

これ以上金利が下がることが考えにくいため、変動金利を選択した場合は金利が上がったときのことも考えておくべきです。

20代の場合、「これから給料も増えるだろうから、金利上昇にも耐えられる」と考えてしまうかもしれませんが、想定通りに給料が増えるとは限りません。

業績によって支給額が変動することの多いボーナス払いもおすすめできません。

返済に余裕があり、金利上昇にも耐えられる人以外は、固定金利を選択したいです。

固定金利では返済が苦しいけれど、「変動金利なら金利が低いから支払える」と考える人もいるかもしれません。

しかしその借入方法では、金利が上がったときに対応できません。固定金利でも返済できるような借入額にしておきましょう。

収入の変動も考えよう

若い夫婦が住宅ローンを借りる際は、世帯年収が減るかもしれないことを考慮しておきます。

特に子供を望んでいる夫婦であれば、妻が今後どのように働いていくのか、夫婦で話し合っておきたいです。

子供ができた場合に就業の継続をするかしないかによって世帯収入は大きく変わります。

継続する場合は、復帰後どのように働いていくことになるのか、会社の育児休業規定を調べておきます。

中には子育て主婦を希望する人もいるでしょう。その場合は、住宅購入時に妻の収入は世帯収入にカウントしないほうが無難です。

なお、育児休業中は育児休業給付金が受給できます。

給付金は原則として「休業開始時賃金日額※×支給日数の67%(育児休業の開始から6か月経過後は50%)」です。

妻が育児休業を取得する場合は、妻の収入を半分くらいで見積もるとよいですね。

※休業開始賃金日額とは「育児休業開始前6か月の賃金を180で除した額」のこと

参照:育児休業給付概要|ハローワーク より

まとめ 将来の変化を考えて住宅購入しよう

20代の住宅購入は若くして購入に踏み切る分、ライフイベントの変化により家計上昇が大きく変わる可能性を含んでいます。

妻の育児休業によって世帯収入が減ることや、子供の誕生によって支出が増えることも考えて住宅購入を行いましょう。

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