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住宅ローンの期間延長はできる?住宅ローンを延長する場合のメリットとデメリット

住宅ローンの期間延長はできる?住宅ローンを延長する場合のメリットとデメリット

住宅ローンを組んだ後に想定外の事態に陥り、月々の支払いが厳しくなってしまうこともあるでしょう。

そのような場合、選択肢の一つとして「返済期間の延長」があります。

返済期間が延長できれば、毎月の返済額を減らすことができますが「返済期間の延長は可能なのか」と疑問に思う人もいるでしょう。

確かに、必ずしも期間が延長できるとは限りません。

また、返済期間の延長により総返済額が大きくなるデメリットもあります。

メリットとデメリットを知り、選択肢の一つとして検討していくことが大切でしょう。

住宅ローンの延長とは

住宅ローンの延長とは、当初の予定よりも返済期間を延長することです。

例えば35年返済の予定で借り入れを行った場合、5年経過時の返済期間はあと30年ですが、それを30年以上に延長することをいいます。

延長のメリットとデメリットを紹介します。

期間を延長するメリット

借入額や金利がそのままでも、返済期間を延長することで毎月の返済額を減らすことが可能です。

また、団体信用生命保険(以下、団信)に加入している場合、団信の恩恵をより長期にわたって受けることができます。

手厚い団信に加入している場合は期間が延長されるため団信が役立つ可能性が高くなるなど、魅力が大きいです。

特に保険料が無料の団信であれば負担がない分お得感があります。

期間を延長するデメリット

Extensionデメリットは返済の長期化により、将来の返済や生活が苦しくなる可能性があることです。

退職後の資金準備ができていないと、年金や自己資金が住宅ローンに圧迫されて生活が困窮してしまうリスクがあります。

なお、返済期間が長くなる分利息の支払い期間も増えるため、総返済額も大きくなります。

住宅ローンの延長が認められるのは

住宅ローン延長が認められるかどうかは金融機関次第です。

契約時の取り決めた年数を延長する以上、それなりの理由がないと認められません。

例としてフラット35を提供する住宅金融支援機構の「返済方法の変更ができる条件」を紹介します。

【延長が認められる要件】

次の3の要件、全てに当てはまらなければなりません。

1:所定の事情により返済が困難になっていること

所定の事情とは、倒産による解雇・リストラによる転職・退職、残業等の減少による減収など。

もしくは、病気、事故によるけがや後遺症、家族の介護による減収・支出の増加などが該当します。

2:収入が次のいずれかの基準を下回ること

・年収水準 年収が機構への年間総返済額の4倍以下
・月収水準 月収が「世帯人数×6万4000円」以下
・住宅ローンの返済負担率が所定の割合(※)を超え、かつ収入減少割合が20%以上
※年収ごとに異なるが、30~45%の範囲内

3:返済方法の変更により、今後の返済を継続できること

なお、延長が認められる期間は最長15年です。ただし、完済時の年齢上限は80歳です。

参照住宅金融支援機構「ご返済が困難になっているお客さまへ」より

このように、返済が難しいと客観的に認められる事由が必要です。

フラット35以外の住宅ローンの場合、期間延長が認められるかの基準は金融機関ごとになるでしょうが、住宅金融支援機構の基準と同程度であれば、目安は「収入2割減」といえます。
逆に言うと、2割未満の減収であれば、住宅ローンの延長は認められない可能性があるということです。

仮に月収が30万円の世帯で減収割合が1.5割なら、減額幅は4万5000円です。4万5000円収入が減れば、住宅ローン返済に影響が出ることもあるでしょう。

そかしこの水準ですと、住宅ローンの延長は難しいかもしれないラインです。

住宅ローンの延長は毎月の返済額を減らすことができますが、本当に苦しい場合のみの対処法であることと知っておきます。

住宅ローンの延長を申し込む際の流れと注意点

住宅ローンの延長を金融機関に相談する場合、どのような流れで行うのでしょう。

具体的な手続きと注意点を紹介します。

住宅ローンの延長を申し込む際の流れ

先ほどと同じく、住宅金融支援機構のケースで手続きの流れをみていきます。

【フラット35 返済期間延長の流れ】

  1. 返済中の金融機関、もしくは住宅金融支援機構各支店に相談 窓口や住宅ローン相談ダイヤルなどへ
  2. 手数料・減額幅基準・完済年齢などを確認 申し込む場合は申し込み手続きの準備
  3. 申し込み 申込書・収入を証明する書類など
  4. 金融機関と住宅金融支援機構による審査
  5. 審査に通れば返済方法変更の契約を締結

住宅ローン延長における手続き上の注意点

手続きには一定の時間がかかります。

審査に一定の時間がかかるだけでなく、当初の「相談」の段階でも個別に状態を見極めなければならないため、一定の時間がかかると考えられます。

最終的に審査に落ちる可能性もあり、申し込みをした事実をもって安心しないように注意します。

住宅ローン延長の申し込みをした場合も、延長できないときの対処法を同時並行で考えなければなりません。

また契約内容の変更に該当するため、一定の変更手数料や、金銭消費貸借契約(住宅ローン契約)の変更契約証書にかかる印紙税、保証会社への追加保証料などの発生が見込まれます。

諸経費についても事前に確認しておきましょう。

住宅ローンの延長が叶わない場合の対処法

返済が厳しくなった場合の対処法は、住宅ローン延長以外にも次のような方法があります。

借り換え
現在の金利よりも低い住宅ローンに借り換えることで、返済額を少なくする効果があります。

ただし、借り換え諸経費がかかりますし、金利差だけでは毎月返済額を大きく減らすことは難しいかもしれません。

任意売却
住宅を売却し、売却益で住宅ローンの完済を目指します。

売却益が住宅ローン残高を上回った場合は差益を得ることができますが、逆に下回る場合は差額を自己資金で用意しなければなりません。

元金据置返済やボーナス払いの取りやめなど
一時的に元金の返済を休止する「元金据置返済」、「毎月払いとボーナス払いの併用」から「毎月払いのみ」への変更など、住宅ローンの延長以外にも取れる手段があります。こちらもまずは金融機関へ相談します。

借り換えで住宅ローンの延長は可能か

既述のとおり、返済が苦しくなった場合は借り換えも選択肢の一つです。

では、借り換え時に住宅ローン期間を延長することはできるのでしょうか。

原則として、従前の住宅ローンよりも期間を延長する借り換えはできない金融機関が多いです。

ただ、なかには対応している可金融機関もあります。

単純に返済期間を延長してしまうと、総返済額も増えますが、適用金利が低くなる借り換えならば総返済額も増えないかもしれませんので、検討の余地はあるでしょう。

返済期間を延長した場合の返済額

返済期間を延長するとどの程度返済額が変わるのかシミュレーションしてみます

【前提条件】

  • 住宅ローン残高 3000万円
  • 残りの住宅ローン期間 30年
  • 金利2%(全期間固定金利)

ケース1:返済期間を「残り30年」から「残り35年」に延長すると?

ケース2:借り換えによって、金利を2%から1.5%に軽減。返済期間は30年のままとする

※「3000万円」についての総返済額を算出(当初借入額ではない)

ケース1では、毎月返済額は減りますが総返済額は増加してしまいます。

一方、借り換えのケース2では、毎月返済額と総返済額の双方が圧縮されます。

ただし、借り換え諸経費は含めていないため、実際に借り換えをする場合は諸経費も含めてメリットを見極めます。

まとめ 返済が苦しくなってしまった場合は複数の選択肢を検討しよう

住宅ローンの返済が苦しいときの選択として住宅ローンの延長を紹介しました。

しかし、住宅ローンの延長が叶うかどうかは、金融機関の判断に負うところが大きいです。

また完済年齢を考えると延長が難しいケースもあるでしょう。

住宅ローンの返済が苦しくなる前から、住宅ローンの返済が苦しくなった時に備える住宅ローンの予備費を準備しておけるといいです。

それが難しい場合は、住宅ローンの延長のほか、借り換えや任意売却など複数の選択肢のなかから、ベストの選択をします。

何から考えていいのか迷ったときは、まず金融機関に相談してみることをおすすめします。

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