住宅ローンジャーナル 横山晴美

住宅ローンを複数申し込み メリットと注意点を解説

住宅ローン申し込みを複数しても問題ないのか?という疑問があるよう。複数申し込みする際の注意点などについて解説。

住宅ローンには審査がありますので、希望する金融機関から借入できるとは限りません。

審査が通らない可能性を考慮し、最初から複数の住宅ローンに申し込みたいと考える人も多いでしょう。

複数の住宅ローンに申し込むことは可能なのでしょうか。

また、複数申し込みをする場合の注意点について解説します。

住宅ローンの複数申し込みはできるのか

住宅ローンの申し込みを複数の金融機関にすることは、できるのでしょうか。結論から言うと、可能です。

住宅ローンの申し込みには「仮審査」と「本審査」がありますが、どちらも複数の金融機関に申し込みをすることができます。

審査料やキャンセル料が気になる人もいるでしょうが、そういった費用は発生しません。

また、複数申し込みが可能なのは新規申し込みに限りません。

借り換えの場合も複数の金融機関に審査の申し込みが可能です。

キャンセル料はないとしましたが、「本審査が通らなない」、「購入を見合わせることにした」などの購入自体をキャンセルする場合とは違います。

売買契約を交わした後の「購入キャンセル」は、手付金が返ってこないことや、場合によっては違約金が発生することもあります。

「住宅ローン申し込みのキャンセル」と混同しないようにしてください。

なお、複数の金融機関に住宅ローン審査を申し込んで、いくつかの審査が通ったときは、「お断り」をする金融機関が発生します。

通常は審査通過後から一定期間過ぎると申し込みは失効しますが、きちんと連絡するのがマナーです。

ポイント

  • 仮審査 承認日から60180日程度
  • 本審査 承認日から60270日程度

住宅ローンを複数申し込みするメリット

複数の住宅ローンについて仮審査や本審査の申し込みをするメリットは主に次の2つです。

メリット1 時間短縮

「コレ!」と思っていた住宅ローンがあったとしても、審査に通るとは限りません。

金融機関ごとに「審査申込」→「審査に通らない」→「次の審査申し込み」……と繰り返していては時間がかかります。

仮審査は早ければ当日に結果が分かることもありますが、通常は34日程度かかります。

本審査の場合1週間程度見ておく必要があります。

住宅購入では、引き渡し時期や契約期限が決まっていることも多いです。

住宅ローン選びにかけられる時間は限りがありますので、スピード感をもって住宅ローンを選べるのは大きなメリットです。

メリット2 効率的に複数の住宅ローンを比較できる

金融機関ごとに申し込むと、時期によって適用金利が異なるので厳密な意味での比較はできません。

しかし同時に申し込めば、同じ時期における金利・総利息・ローン諸費用等を比較できます。

特に借り換えの場合は、金利や借り換え手数料に借り換えメリットの有無が分かれるので比較は重要です。

じっくり考えた結果、仮審査が通らなかった場合は、検討に費やした時間も無駄になってしまいます。

ある程度住宅ローンを絞り込んだら、まとめて仮審査に申し込み、結果を見ながら比較していくと効率的です。

住宅ローンを複数申し込みするときの注意点

複数の住宅ローンに申し込む場合の注意点についても知っておきましょう。

注意点1 申し込みが多いと比較が難しい

申し込む金融機関は23に絞り込むことをおすすめします。

本来、複数の申し込みは互いの金利や諸経費を同時期に比較できるのがメリットです。

しかし申し込みが多いと比較が難しくなり、せっかくのメリットが薄れてしまいます。

注意点2 仮審査でも用意すべき書類は多い

複数の金融機関で住宅ローンの仮審査を行うなら、必要書類もその分準備が必要です。

「審査申し込み」→「審査に通らない」→「次の審査申し込み」……と繰り返すよりは効率がいいですが、申し込みの手間自体は変わりません。

用意すべき書類に大きな違いはないとはいえ、金融機関ごとに必要な書類や申し込み手続きが変わる点にも注意します。

仮審査で用意すべき書類は次のようなものです。

用意すべき書類の例(仮審査の場合)】

  1. 本人確認書類 運転免許証・保険証・パスポートなど
  2. 収入関連書類 源泉徴収票や確定申告書など
  3. 物件関連書類 パンフレット・チラシ・販売図面・物件概要書など

本審査の場合は、上記よりもさらに分量が多くなります。

同じ種類の書類は同時に用意することで効率よく書類を準備していきましょう。

注意点3 次の申し込みがある場合は審査の履歴に注意

審査を申し込むと個人信用情報照会機関に「(融資を申し込んだ)履歴」が残ります。

審査の申し込みが複数あると、履歴も複数となってしまいます。

その場合「履歴が多い=審査落ちが多い」となるので、心証が悪くなる可能性があります。

例えば、最初のA銀行・B銀行・C銀行・D銀行に審査の申し込みをしたが、すべて審査が通らなかったとします。

再びE銀行に申し込みをするとして、その際にはAD銀行の履歴が残っているため「4つも審査が通ってないということは何か問題あるのではないか」と疑念を抱かれる恐れがあるのです。

もちろん、「他行は他行、ウチはウチ」と、履歴にこだわらない金融機関もありますので、一概にはいえません。

ただ一般的には履歴が多くなるのは避けたほうが良いとされています。

便利な一括仮審査申し込みサービスとは?

通常は金融機関ごとに申し込みをしますが、複数の金融機関に一括申込をするサービスもあります。

一般に「一括審査」と呼ばれるこのサービスはインターネット上で必要な情報を一回入力することで、複数の金融機関に一括で審査の申込みが行えるものです。

便利なサービスですが、メリットだけでなく注意点もあります。

【メリット】

・通常は無料でサービスが受けられる

・審査に必要な情報の入力が一回で済むので手間が省ける

・複数の仮審査申し込みについて、承諾を得ている「提携金融機関」に申し込むため、一度に複数の金融機関に申し込みをして履歴が残っても、マイナス材料にならない

・最近は、「住宅ローン比較」や「ニーズに合う住宅ローン」などのアドバイスを提供している会社もある

単純に審査が通るかどうかを判断するだけでなく、より適した住宅ローン探しのサポートをするサービスもあります。ただし、アドバイスやサポートについては有料となることもあるので注意しましょう。

【注意点】

・一括審査サービス会社と提携している金融機関にしか申し込みが出来ない

・提携している金融機関は、ネット銀行が多い傾向にあるが、ネット銀行は審査基準が厳しいとされている

・一活申し込みが「仮審査のみ」の会社もある

・(仮審査について)ローンが受けられることを保証するものではない

さらに注意したいのが、すべての審査に落ちてしまうケースです。

本来は『複数の仮審査申し込みについて承諾を得ている「提携金融機関」に申し込むため、一度に複数の金融機関に申し込みをして履歴が残っても、マイナス材料にならない』のですが、次の審査がある場合は別問題です。

次の申込がある場合に履歴が複数残ってしまうことによるデメリットは既述の通りです。

まとめ スピード感ある住宅ローン選びなら複数申し込みがおすすめ

スピーディに複数の住宅ローンを比較するなら、同時に申込するメリットは多いです。

ですが、審査に通らなかった場合、次の審査に影響が出る可能性があります。

特に、手軽に複数の住宅ローン審査に申し込める一括審査では、申し込み数が増えてしまいがちですので慎重に行う必要があります。

複数の金融機関に審査を申し込むことは効率的ですが、数を増やさず、いくつかの金融機関を厳選して行うことをおすすめします。

比較がしやすいですし、万が一すべての金融機関で審査に通らなかった場合も、次の審査への影響が小さいでしょう。

モゲチェックプラザ 住宅ローンの切り換えコンサルティング

おすすめ記事

1

(文・構成=編集部 住宅ローンアドバイザー・山知) この記事のまとめ(おすすめの住宅ローン)だけを見たい人はこちらからどうぞ 住宅ローンを語るうえでの前提として、万人共通でおすすめできるという住宅ロー ...

2

これから住宅を購入しようと考えている人にとって、金利がどう推移してくのかは、重要な問題です。 金利が上がっていくなら、今のうちに全期間固定金利で購入するのが賢いでしょうが、しばらく低金利が続くなら、変 ...

3

(文・構成=編集部 住宅ローンアドバイザー・山知) 「審査の早い住宅ローンをお探しですか?」 住宅ローン審査期間 比較一覧表 物件への入居希望時期まで時間がなく、住宅ローンの審査を急いでいるという人や ...

住宅ローン取扱高ランキング 4

(文・構成=編集部 住宅ローンアドバイザー・山知) この記事で分かる事 取扱高の一番高い銀行はどこ? 人気の金利タイプは何? 固定期間選択型の人気の固定年数は? 銀行各社が決算時期に発表している公開情 ...

5

金融機関が住宅ローンの融資金額を決定する際には、返済負担率(その人の税込年収に対する住宅ローンの年間返済額の割合)を一つの判断基準としています。 たとえば、年収500万円の人の年間返済額が125万円の ...

6

(文・構成=編集部 住宅ローンアドバイザー・山知) 銀行は自分が返済できる額よりも、もっと多くのお金を貸してくれる事があります。 その理由は、もし仮に契約者がローンの返済ができなくなったとしても、担保 ...

7

(文・構成=編集部 住宅ローンアドバイザー・山知) 住宅ローンを何歳まで組めるのか?は、金融機関ごとに異なります。 多くの民間金融機関では、①借入れ時の年齢と、②ローン完済時の年齢の2つの年齢制限を設 ...

年収400万円はいくら借りれる?借入可能額と安全な借入額の求め方 8

(文・構成=編集部 住宅ローンアドバイザー・山知) 住宅ローンを借りる際に注意しておきたいのが、銀行から借りれる額と、返せる額は必ずしも同じではありません。 金融機関は思ったより多くの金額を貸してくれ ...

契約成立の握手 9

自営業者が住宅購入を考え、いざ住宅ローンを借りようと思った時、どこの銀行が貸してくれるか?どんな条件の人が審査に通るのか?といった疑問があると思います。 最近では働き方の多様化に伴い、自営業やフリーラ ...

-住宅ローンジャーナル, 横山晴美

© 2020 住宅ローンの教科書