基礎知識

住宅ローン借り換え時、借入額の上乗せは可能?上乗せできる範囲は?

Real-estate

金利水準が低い現在、住宅ローンの借り換えを検討している人も少なくないでしょう。

住宅ローン借り換えの大きなメリットは適用金利を下げることで毎月返済額を減らすことができることです。

それに伴い返済計画の見直しや、家計の立て直しなどの効果も期待できます。

様々な効果が見込める「借り換え」においては、借入額の上乗せが可能なのか気になる人も多いと推測します。

住宅ローン借り換えにおける「上乗せ」について解説します。

住宅ローンの借り換え時 借入額の上乗せはできる? 

住宅ローンの借り換えとは借入先金融機関を変更することです。

適用金利を低くすることによって返済額を減らすことを目的としているケースが多いですが、他にも次のようなメリットがあります。

  • より手厚い団信に加入することで病気やケガによる返済不能リスクを軽減できる
  • 全期間固定金利借り換えることで金利上昇リスクを回避する
  • 「給与振り込みされる金融機関へ借り換えることで資金移動における手間と振替手数料が不要に」「メインバンクへの借り換えることによって返済管理を楽に」など利便性を向上できる

このようなメリットがある借り換えについて、「他の費用も上乗せできないのか?」と考える人もいるかもしれません。

原則として、借り換え時に融資額を上乗せすることは不可能ではありません。

しかし、「住宅ローン」である以上、上乗せできるのは住宅ローンに付随する費用に限られます。

すなわち、住宅ローン借り換えにおける諸経費です。

借り換え諸経費がかかるので借り換えを躊躇してしまう人にとっては、諸経費が上乗せできることは大きなメリットといえるでしょう。

借り換え時に上乗せできるのは諸費用

住宅ローンの借り換え時に上乗せが可能な「諸経費」。

諸経費の概要や費用感など、詳しく見ていきます。

諸費用とは

諸費用とは、主に借り換え先金融機関で新たに融資を受けるためにかかる費用で、次のような費用が該当します。

  • 住宅ローン契約書にかかる印紙税
  • 保証料や事務手数料
  • 抵当権設定に係る費用(従前の抵当権を抹消する費用も含む)
  • 司法書士報酬
  • (フラット35への借り換えの場合)適合証明検査費用(物件検査手数料)

さらに、上記と比較すると金額の規模は小さいですが従前に融資を受けていた金融機関に対する「繰上返済手数料」も発生することが多いです。

なお、従前の金融機関で保証料を一括前払い方式で支払っていた場合は、戻し保険料が受け取れる可能性があります。

上記のほか、火災保険の見直しを一緒に行う人もいるようです。

本来住宅ローンと火災保険は個別の契約ですので、住宅ローンを借り換えたからといって火災保険を変更する必要はありません。

ただし、より条件のいい火災保険が登場している可能性もありますので、借り換えをきっかけに変更を検討してみてもいいでしょう。

住宅ローンに上乗せすることができるのは

先に挙げた諸経費は概ね対象になります。ただし詳細は金融機関ごとに異なります。

例えば、従前の住宅ローンを繰上返済する際の「繰上返済手数料」は対象とならない金融機関もあります。

また火災保険料も上乗せの対象になることがあります。

ただし火災保険については通常契約を新たにする場合の「新規契約分」の保険料のみが上乗せ対象となるのが一般的です。

すでに契約している火災保険料の補償を手厚くするために追加で保険料を支払った場合は対象とならないケースが多いので注意します。

諸経費の金額は

諸経費の金額は数十万円、場合によっては百万円以上かかることもあります。

思ったよりも額が大きいことに驚く人もいるでしょうが、借り換え諸経費の金額は小さいものではありません。

例えば事務手数料が定率型の場合「借入額の2.2%」程度とする金融機関が多いです。

また、抵当権設定の登録免許税は「借入額の0.1%(軽減税率※)」ですので、これだけで借入額の2.3%が確実にかかることになります。

仮に2000万円の借り換えなら「48万円(2000万円×2.3%)」です。

そのほかに司法書士報酬や印紙税等の金額を加味しなければなりませんし、場合によっては火災保険料やフラット35の物件検査手数料も必要です。

諸経費を借入額に上乗せできるのはメリットといえますが、上乗せした分返済額も大きくなります。

そのため自己資金から問題なく支出できるのであれば、諸経費の上乗せをしないほうがいい場合もあります。

借り換え時、諸費用を上乗せするかどうかは慎重に検討しましょう。本則は0.4%

リフォーム費用の上乗せもできる可能性がある

住宅ローンの借り換え時にリフォーム費用も上乗せできる可能性があります。

リフォームの必要性を感じている人はリフォーム費用の上乗せを検討してみるといいでしょう。

その場合のメリットと注意点を見ていきます。

リフォーム費用を上乗せする場合のメリット

リフォーム費用はリフォームローンを組む方法もあります。

しかし住宅ローンの借り換え時に上乗せすると次のようなメリットが得られます。

返済額を抑えることができる

リフォームローンより住宅ローンの方が、金利水準が低いです。

また、リフォームローンは最長返済期間が1015年程度と短めです。

住宅ローンの返済期間の方が長いと仮定すると、同じ額を借りても毎月の負担は住宅ローンを利用するほうが軽くなります。

借入時や返済の手間が軽くなる

借入の手続きを個別にしなくてよいので申し込みの手間が省けます。

また、別々にリフォームローンを組む場合と比較すると返済が一本化でき、口座間の資金移動や残高管理などの手間が容易です。

リフォームローンと合わせて団信に加入できる

リフォームローンは団信がないケースもありますが、住宅ローンに上乗せすれば住宅ローンの団信に合わせて加入できます。

リフォーム費用を上乗せする場合の注意点

一方の注意点は次のとおりです。

取り扱いがあるとは限らない

諸経費の上乗せでも同様ですが、金融機関によってはリフォームローンの上乗せができません。

借入額が大きくなる

借入額が大きくなれば、審査が厳しくなることが予測されます。

条件上は上乗せが可能でも審査が通らなければ意味がありません。

返済計画が狂いがち

リフォーム費用を上乗せしすることで、返済額が想定以上膨らんでしまう懸念もあります。

借入できることに安心してリフォーム費用が大きくなってしまうとこの状態に陥りやすいです。

事前資金には利用できない

通常、リフォーム資金と借り換えに係る住宅ローンの融資実行日は同日です。

つまり、事前にリフォームの前金や契約金が必要な場合、それらは融資が間に合いません。

リフォーム費用の資金繰りが上手くいくよう、融資実行のスケジュールは金融機関とよく確認しておかなければなりません。

住宅ローンを上乗せした場合のシミュレーション

住宅ローンを上乗せした場合に、返済額がどの程度変わってくるのでしょう。

次の前提条件のもと、返済額を比較します。

【前提条件】

  • 借り換え金額 2000万円
  • 返済期間 25
  • 金利 1.5%(全期間固定金利)

上乗せする費用

  • 借り換え手数料 80万円
  • リフォーム費用 200万円

「費用の上乗せをしない」「借り換え手数料のみ上乗せ」「借り換え手数料とリフォーム費用を上乗せ」するの3ケースで返済額を比較します。

毎月返済額

総返済額

ケース1

費用の上乗せをしない

79,987

23,996,020

ケース2 

借り換え手数料のみ上乗せ

83,186

24,955,900

ケース3

借り換え手数料とリフォーム費用を上乗せ

91,185

27,355,500

総返済額を確認すると、ケース1と2の差は約95万円、ケース1と3の差は約335万円と、実際に上乗せした額以上の差が生じています。

諸経費を上乗せする場合は、返済の負担額を計算して返済できる額かどうかを判断すべきでしょう。

まとめ 住宅ローン借り換え時の「上乗せ」は計画的に

住宅ローンの借り換え時に諸経費(もしくはリフォームローン)を上乗せするかは返済額と返済計画に影響を与えます。

住宅ローンは一般的なローンよりも金利が低いため、上乗せはお得に感じるかもしれませんが、その後の返済を考えずに上乗せしてしまうと、返済時に家計が圧迫される恐れがあります。

諸経費やリフォーム費用を事前に把握して返済額を具体的に算出することが大切です。

上乗せ金額と、返済額への影響を知ったうえで「上乗せ」を賢く利用していきましょう。

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