住宅ローンジャーナル

住宅ローンの借り換え!できない場合を知っておこう

住宅ローンの借り換え!できない場合を知っておこう

住宅ローンの借り換えを行うと、毎月の返済額や総返済額を少なくすることができるケースがあります。

返済額が減るのは大きなメリットといえるため、住宅ローンを返済中の人のなかに、借り換えを検討している人もいることでしょう。

ですが、借り換えには諸経費や審査がかかります。

条件によってはメリットがないこともあります。さらに、借り換え自体ができないこともあるので注意が必要です。

住宅ローンの借り換えについて理解を深めてより良い選択をしていきましょう。

住宅ローンを借り換えるメリット

住宅ローンの借り換えとは、借入先金融機関の変更です。

新たなローンを組む金融機関から借入を行い、従前の金融機関への住宅ローンを完済します。その後は新たな借り入れ先に住宅ローンを返済していきます。

まず、借り換えのメリットを確認します。

1:返済額を少なくすることができる

より低い金利の住宅ローンへ借り換えることで、毎月返済額を小さくすることが可能です

2:手厚い団信に加入できる

近年、団信(団体信用生命保険)は補償範囲や対象が拡大傾向です。仮に返済額が同程度でも、補償が手厚くなれば心理的に安心感を持って返済をすることが可能です

3:異なる金利選択もできる

低金利時代の昨今は、かなり低い金利で全期間固定金利を借りることができます。そのため、「金利水準が低いこの時期に金利上昇リスクを抑えられる固定金利を選択したい」という人は固定金利に借り換えるメリットがあるといえます。

4:返済期間の変更ができる場合がある

借り換え時に住宅ローン設計を変更できるかもしれません。

「返済期間を短くして総返済額を減らす」もしくは「返済期間を長くして返済額を減らす」など、自身のライフプランに沿って返済プランを再設計したい人にはメリットでしょう。

このようなメリットがある中、借り換えは注目されています。

住宅金融支援機構の「民間住宅ローンの貸出動向調査(2020年)」によると 新規貸出額に占める借り換えの割合は次のとおり。

  • 2016年 25.9%
  • 2017年 19.8%
  • 2018年 15.4%
  • 2019年 12.9%

徐々に割合を減らしているのは、マイナス金利政策によって住宅ローン金利が一層下がったのが2016年だからだと推測されます。

マイナス金利政策導入後12年は借り換えが特に注目されていました。

現在は借り換え需要が一服し、やや落ち着いている状態といえます。

それでもなお、新規貸出額に占める借り換えの割合は1割以上と、一定の存在感を示しています。

住宅ローンを借り換えるデメリット

借り換えにおけるデメリットは次のとおりです。

1:審査の手間がかかる

冒頭で述べたとおり借り換えは、新たな住宅ローンの借入です。

借り換えを行う金融機関に対し、収入を証明する書類やマイホーム情報など、審査に必要な書類を提出しなければなりません。

また、借り換え先に住宅ローンの引き落とし口座を新たに作る必要が生じうることもあります。

借り換え先で引き落とし口座を作ったときに、給与から確実に住宅ローンを引き落としたい場合は、給与の振り込み口座の変更も必要になるでしょう。

2:諸経費がかかる

借り換え時の主な諸経費を紹介します。

保証料 数十万円

ネット銀行はおおむね無料。またフラット35でも保証料は無料です。一方でメガバンクや地方銀行は数十万円程度の保証料が発生します。

保険料の支払い方法は、大きく一括支払いタイプと金利上乗せタイプに分かられます。

金利上乗せタイプの場合は、適用金利に0.2%程度の金利が上乗せされます。

事務手数料 数万円程度

保証料がかかる金融機関では数万円程度ですが、保証料が無料の金融機関では保証料が多くかかる傾向です。

目安としては借入金額の「2%」です。

抵当権設定にかかる登録免許税や印紙税

抵当権設定、印紙税、ともに数万円程度かかります。

借入額に応じて金額が決まるため、借入額が大きいほど金額が高くなります。

抵当権設定にかかる司法書士への支払い(司法書士報酬)

概ね510万円程度です。

その他、従前の住宅ローンに関する「抵当権抹消登記手数料(数万円程度)」や、従前の住宅ローンを完済するために「全部繰り上げ返済手数料(千円~数万円程)」がかかる場合もあります。

3:必ずしも金利が低くなるわけではないので、返済額軽減効果を得られないこともある

住宅ローンの適用金利は「店頭金利(基準金利)-優遇金利」で決定します。

優遇金利には引き下げ幅があり、審査によって優遇金利が決定します。

自己資金が多い場合や担保評価が高い場合は有利とされますが、具体的な要件は金融機関ごとに異なります。

見込みよりも優遇金利が小さいと、「思ったよりも金利が下がらない」事態に陥ってしまうので注意が必要です。

住宅ローンの借り換えができない場合

ここまで借り換えができる前提で借り換えのメリットとデメリットを紹介しましたが、借り換え先金融機関にしてみれば、借り換えも「新たな借り入れ」です。

そのため条件によっては借り換えができない場合があります。

借り換えできない主なケース

審査面で借り換えが難しいのは、次のようなケースです。

1:収入や勤続年数の状態が悪くなっている

具体的には、「新規借り入れ時と比較して収入が落ちている」「数年以内に転職しており、勤続年数が短い」といったケースです。

とはいえ、これらは一般的に借り換えが難しいとされる要素です。

そのため、これらが該当するからといって「借り換えができない」と決まったわけではありません。

例えば収入が落ちているからと言って、元々の収入が高ければ問題にならないことも考えられます。

転職についても、より安定した企業への転職であれば、必ずしも不利になるとは限りません。

個別に判断するといいでしょう。

ただし、住宅ローン返済において延滞が生じている場合は、状況にかかわらず借り換えが難しいといえます。

2:健康状態が悪くなっている

健康に問題があり、指定の団信に加入できないケースです。

実は、健康に問題があって団信に加入できない場合は、加入要件の緩い「ワイド団信」のある住宅ローン、もしくは団信加入義務のない住宅ローンを検討する方法があります。

ただし、団信加入義務のない住宅ローンを選ぶときは、自身に万が一のことがあった場合にも返済することができるよう、自身で手厚い保険に加入しておくことをおすすめします。

3:物件の状態

物件の担保価値が著しく落ちている場合は借り換えが難しいかもしれません。

担保価値の評価額が借入希望額を割り込むと、審査が厳しくなるからです。

これらの状況を客観的に判断し、審査が厳しそうだと考えるときは、自己資金を大目に用意して借入額を小さくするなどの対策をとりましょう。

借り換えできないわけではないが、効果が薄い場合もある

既述のとおり、適用金利や諸経費の額によっては返済額軽減の効果が薄い場合があります。

参考までに、金利が1%下がると返済額がどの程度減るのか紹介します。

【金利差による総返済額の違い】

仮に借り換えによって総返済額はどの程度変わってくるのでしょう。35年住宅ローンを10年返済した時点で借り換えするケースで見てみます。

ポイント

  • 住宅ローン残高(借り換え額) 3000万円
  • 残借入期間 25
  • 金利2.5%→1.5%
  • 返済方法 全期間固定金利

毎月返済額

総返済額

借り換え諸経費

借り換え前住宅ローン

134,585

40,375,310

借り換え後住宅ローン

119,980

35,994,148

600,000円(事務手数料)

  • 金額を比較するため、「借り入れ前」「借り入れ後」どちらのパターンも全期間固定金利として試算
  • 事務手数料「借入額×2%」保証料・団信保険料は「なし」としている
  • その他の諸経費は考慮していません
  • あくまでシミュレーションとり、実際の借入額とは異なる恐れがあります

単純に返済額を比較するなら、毎月返済額の減幅は「14,605円」、総返済額にすると「4,381,162円」です。

しかし借り換え諸経費が60万円かかるとしているため、実質的な減額幅は「3,781,162円」です。

今回は融資手数料を考慮しても400万円近い効果が生じています。

なお、金額は比較しやすいですが、実際に借り換えを検討する際は「団信が手厚くなる」「異なる金利変更も可能」といった住宅ローン条件が良くなる点にも注目することをおすすめします。

まとめ 借り換えは総合的な視点で判断しよう

借り換えは、デメリットもあるため、メリットとデメリット比較して実行するかを判断しなければなりません。

それとともに、借り換えが難しいケースも複数あることも覚えておかなければなりません。

借り換えを検討している人は、借り換えについて理解し、自身にとって適した選択をしていきましょう。

イオン銀行
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